スポンサーサイト

--.--.-- --:--|スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

海への散歩(3):海に還った一滴

2007.06.27 02:22|宇気比真弓
由比ガ浜に到着。
気温まあまあ、風もちょうど良いくれぇで、穏やかな景色にほっとする。

荷物を置いて、靴を脱ぐ。
ちゃこさんの後に続いて俺も海に入った。
ひんやりとした水温や砂が足をなぶる感覚、久々で気持ちがええ。
自然と、会話は海の事が多くなる。


「チャコ、スケルトンになれなかったら、お魚になりたいです。海に還れたらいいのに…」
何を思って言ったんか。
寂しそうな声音で呟くのに一瞬息が詰まる。


「んな事言わんでも、ぜってー還れるよ」


気付けばするりと言葉が出ていた。
「空と山と海、全部どっかで繋がっとるんだでなぁ」

――いつかみぃんなあの中の一部になる。
――だから、寂しがる必要はない。

懐かしいあの人。…今頃どうしてんだろ。

「繋がって、る……みんな?ホントに還れる……ワタシ、でも?」
すとんと笑顔が抜け切った表情でこちらを見るのを、目を逸らさんで受ける。

「還れるて」
ただ頷く。


ふ、と。ちゃこさんの体が傾いだ。
やべ…!!

「うわ…!?ちゃこさん!?」
慌てて傍に寄るものの、間に合わん。
「大丈夫かや!?」
ちゃこさんの細い体が海に浸かって、濡れてしまっていた。
「……はい、着替え持ってくればよかったです…」
困ったように笑う顔はさっきと打って変わっていつもどおりで。

「今日、来てよかったです、連れてきてくれて、ありがとありがとです」
…俺の台詞に思うところがあったんだろうか。
そう思いつつ怪我は無いか聞きながら手を差し出す。
夏が近ぇゆうても風邪を引くかもしれん。
ぐっしょり濡れた制服を見ないように目は顔から上をキープ。
とりあえず何か拭くもの探さにゃ。

ちゃこさんの手をとって立ち上がると、その手はすぐに離れた。
そして。

「信じてみたい……宇気比さんのコトバ。
還れるって、サイゴに、ひとつだけ……」
言葉と共にくれた笑顔。
いつもの笑顔でのうて、今にも泣きそうな笑顔だった。
スポンサーサイト

タグ:SS

コメント

非公開コメント

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
プロフィール

秋夜

Author:秋夜
ここの管理人。
本当は「みかさ しゅうや」だけど長いので略。

民俗学と日本神話とSFとミステリとアジアンなものにときめく節操なし。
無駄なトリビアを多数所持してます。

メセあります。
camellia_snow2974♪hotmail.co.jp
(♪を@に変換)
登録の際、事前に手紙にて連絡を下さい。

カテゴリ

サブカテゴリ

最近の記事

最近のコメント

リンク

四季の花時計

遊んでます。

ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。